サイト紹介


「栞紐のない雑文集」

                                                         栞紐(しおりひも)とは、多くの本についているあの紐のことです。手触りのよさはもちろん、いい読みものに出会った時に感じるこの細い紐の頼もしさに、本好きの人たちは支えられているのだと思います。そして、何と言ってもその名の響きでしょう。栞は「枝折」とも書きますが、山道の目印に木の枝を折っていたことからきているらしいのです。英語では「bookmark」、なんと味気ないことか。「栞紐」という言葉の美しさや奥深さもまた、その響きと共に沁みてきます。

では、そんな美しい響きを持つ栞紐が切れた…みたいな縁起でもない文集名にしたのはなぜか?です。正しく伝えるのはむずかしいですが、以下のようなことになります。

それは長い歳月をかけて書き溜められてきたものが、自分でも収拾のつかないほどになってきた… そのことに因ります。だからこその雑文集なのですが、区切りなど見えなくなってきた、いや分からなくなってきた、いや面倒臭くなってきたというのが本音であり、逆に言えば、これから先もさらに書き続けていくために、区切りをなくそうということでした。

まさに独りよがりですが、そこで敢えて栞紐のような美しい言葉を、しかも否定的に使わせていただきました。幸いにも、長い間お付き合いいただいている方々がそれなりにいらっしゃいます。そんな方々には何らかのものが届いているのだと思っています。そのあたりを自分なりにいい方へと解釈し今に至っています。

ℕ舎の空間……

…… ところで、「N舎(えぬしゃ)」とは作業をする自室です。ここ何年間かまさに物置状態で放置されていました。ようやくかつての雑想および雑創的空間に戻ったという感じです。

壁には朝日の差し込む四角い小さな窓が三つと、直角三角形のやや大きめの窓がひとつあります。三角屋根の北側の傾斜がそのまま目の前に壁を作っていて、ちょっと圧迫感はありますが、それそのものも愉しんでいるという感じです。

晴れて空気が澄んだ日には、小さな窓から遠くに北アルプス北部あたりの山々が辛うじて見え、大きめの窓からは青い空と白い雲が見えたりします。山が見える(確認できる)のはボクがずっと山好きだったからです。そうでない人にはむずかしいかもしれません。ちなみにデスク板に向かい見えるのは、何度も通った薬師岳方面です。

居心地の良さはもちろん、いつも何か愉しいコトを考えようという気持ちにさせてくれる場所です。

世の中は “コロナ禍” です。そんな中で、2021年のはじめにこのサイトをリニューアルしました。長く仕事の現場や私的な活動の中で活かしてきた自分というものを、もっと絞り出して、さらに緩く織りまぜていきたいと考えています。また新しい何かを生み出せるのではないかという気がしています。いや、そんな大袈裟な話でもありません。愉しもうというだけです。もういい歳なんで……