上海紀行その4 さらりと万博二日目編


 万博二日目は10時頃に会場入りした。

 天候は上海の梅雨時にしては申し分のない晴れ。あまりよくは見られないという青空が薄くだが一面に見えている。北ゲートへと歩いて行くだけでもう汗が滲んだ。

 この日は初めから自由行動となっていた。ボクとSは北ゲートから入ると、そのまま黄浦江(こうほこう)の対岸にある会場へと移ろうと決めていて、すぐにフェリー乗り場へと急いだ。フェリーは大して大きいものではなかったが、頻繁に行き来していた。もちろん船内は満員で、ボクたちは大勢の観客と一緒に、強い日差しを受けながら甲板に立っていた。

 対岸に上陸すると、日本企業館に足を運んだ。日本館は長蛇の列で初めから予定に入れていなかった分、日本企業館には行ってみようと決めていた。

 行ってみると、それなりに充実した内容となっていて、中国人の若い女の子たちが興味深そうに展示物を見ていた。やはり日本に関するものは人気があるのだなと実感し、そういう中国の人たちの前では、意図的に大きな声で日本語を話したりした。韓国の同じようなパビリオンにも入ったが、日本の方が洗練されていたように思う。

 その日の昼食はカツカレーになった。もう中華はいいなと二人で話し合っていたが、飲食店が集合する建物の中でカツカレーの写真を見た時には、暗黙の了解のようにその店を選んでいた。しかし、やはり味が…… ご飯が根本的に違う。ボクはすべて食べたが、Sはカツとカレーだけ食べて、ご飯をほとんど残していた。厨房の中はまるで高校生のような女の子たちの集まりだった。みな気合が空回りか、もしくは入っていない。仕方ないのかも知れないが、万博仕様ではないことを実感して、こちらが却って申し訳ない気持ちになってしまった。これから頑張るんだよ、彼女たち。

 会場内を走るシャトルバスで快適に移動し、再びフェリーに乗る。

 もとの会場のぐっと奥の方に上陸。ここで行くところというのは、アフリカ連合館。

 愛知万博には三回行ったが、三回ともアフリカ館でひたすら時間を費やしていた。今回も興味津々で、二日目には必ず行こうと決めていた。ボクはどうもああいう雰囲気に弱い。ピカピカ光るものよりも、渋く落ち着いているものの方に心が惹(ひ)かれる。愛知万博の時は、昼飯もアフリカ館で食べていた記憶があり、打楽器なんかも触らせてもらっていた。素朴なところが何と言ってもいい。博覧会は先進的なものが集まってくるものなんだろうが、そんな中でアフリカの大地を思わせる素朴な展示にはホッとすることが多い。そこがまた変な感じながらも面白いのだ。

  アフリカ連合館を出て、またブラブラ。列のないパビリオンがあると、ちょっと入ってみる。

 ますます空の青さが鮮明になってきて、暑さはピークに達してきた。30度は超えているだろうなあと心の中ではかなり嬉しくなっている。

 ボクたちは、会場を縦断するような広くて長い通路をひたすら歩いた。万博の空気というのは、どこで開催されようとも同じなんだなと、その時初めて感じた。

  時計はまだ2時。実は、ボクたちは博覧会会場から、その時間に脱け出そうと決めていた。やはり街歩きがしたかった。

 北ゲートはどっちだ……


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