鬼たちは、なぜ来年の話を笑うのか?


そろそろ来年のことを考えようと、「印は無いけど良い品」を売るという店で手帳を買った。

まともな手帳を買ったのは久しぶりのことだ。と言うのも、基本的に簡単なスケジュールだけメモっておければいいというタイプだから、これまで片手で簡単に丸めることができるくらいの超薄型手帳しか持っていなかったのだ。

手帳を入手すると、せっかくだから11月のページから使おうかなと思ったりもした。しかし、実際には12月から使い始めている。

その理由はと言うと、手帳用として使うための筆記具、つまりペンがなかったからだ。なぜか、そんな筆記具にはかなり激しいこだわりを持ったりする。手帳の紙質を見て、できるだけスムースに書けるものを選ぼうと思う。手がだるくなるような硬いペンは好かない。

そして、ようやく手帳購入後三週間にして一本のボールペンと出会った。出会ったと言っても、長女に買ってきてもらっただけなのだが、それなりに気に入った。よくは知らなかったが、ドイツのボールペンだということだ。

ボールペンと言えば、やっぱ、ドイツやろ…と、長女が言う。そう言えば、去年の春長女は旅行でドイツ辺りにいて、そこで買ってきてくれたボールペンは、ごくごく普通のものだったが、かなり書きやすく気に入っていた。

そんなこともあってか、ボクは新しいドイツ製のボールペンと早く打ち解けようと努力を始めた。最近、それが何となくうまくいっているような実感があり、手帳ともよい関係にある。

ところで、冒頭にも書いたように、手帳を買ったきっかけは来年のことを考えようと思ったからだ。

だが、いざ手帳を利用するようになると、あまり来年のことは考えなくなった。

予定を書き込んだりは当然するのだが、特に何かを考えているわけでもない。

来年のことを言うと、鬼が笑うと言われているからでも当然なかったのだが、なぜかそのことに興味が湧いた。

そう言えば、鬼は来年の話を聞くと、なぜ笑うのだろうか?(ようやく本題だ…)

 

 鬼たちは、来年の話のどの辺が可笑しいのだろう?

笑いにもいろいろなきっかけがあるだろうし、笑い方などにも違いがある。だいたい鬼たちが笑うのだから、頬にえくぼを作ってニッコリすることなどあり得ない。

一般的なイメージとしては、豪放に体をのけ反らせ、歯茎をむき出しにして笑うくらいが普通だ。

それに鬼たちはいつも酔っ払っているような印象があって、大声で笑いそうだ。

とすると、この場合でも、鬼たちは来年の話を聞いて体をのけ反らせ、歯茎をむき出しにして笑うのだ。よほど可笑しいことなのだろうと推測できる。

それほどまでにして笑える背景とは一体何なのか?

そのことの以前に、だいたい鬼たちの存在そのものを疑ってしまうのも仕方がないが、それはもうちょっと先に置いておくことにする。

 

考えついでに思うところを書こう…。

実を言うと、ボクは鬼たちには特に強い現実主義者が多いのではないかと思っている。

どちらかと言えば、悲観主義的で、顔に似合わない?ネガティブさを潜めている奴らが多いのではないだろうか。

ストレスの発散が苦手で、どんどん体内にそれを溜めているのかもしれない。

その証拠に、あの大きな角も、ストレスで出来た吹き出物みたいなものだと推測できる。

「全日本角型吹出物群研究学会」などといった学会があったとしたら、そのことはすでに発表されているだろう。そう思って、一応調べてみたが、Googleや、Yahooでは検索できなかった。

というわけで、だからなぜ鬼たちは来年の話を聞くと笑うかなのだが…

つまり、来年のことを楽しそうに語るニンゲンたちに、鬼たちは羨望や妬み、さらに不愉快さや息苦しさを感じ、とりあえず的に笑って済ませようとしているだけなのかも知れない。

あの能面なんかを見ても、怒りと笑いのちょうど中間にある表情だと見てとれる。

泣き笑いと言ってもいい。つまり鬼たちは切ないのだ。

だから、われわれニンゲンとしては、そんな鬼たちの心情をよく理解してやることにも配慮しなければならない。

とりあえず的に笑って済ませようとしているだけの鬼たちに対し、無意味に笑い返してもいけない。

われわれとしては、むしろ温かな気持ちをもち、鬼たちの笑いに対してちょっと首をすくめてやるくらいが丁度いいのだ。

そして、出来れば今年の話をしよう。去年の話でもいい。来年を通り越して、再来年の話などはもっての外だ。ついつい口を滑らすなどいうのも気を付けなければいけない。

そういうわけで、この時季は周囲に鬼がいないかを確認しながら、話をするように心掛けたいものなのである……のだろう。

※鬼の絵は、森田加奈子さんの作品


「鬼たちは、なぜ来年の話を笑うのか?」への1件のフィードバック

  1. ナカイさん的お話が続きますね。
    この忙しい時にと、読み始めは思うんですが、
    いつの間にか、じっくりと読みふけっていました。
    どこからこんな発想が生まれるんでしょうか?

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