hisashinakai
風邪ひき午後の味噌煮込みうどん
年の始めからの過密?スケジュールが災いしたのか、一月の終わりになって風邪をひいてしまった。
今の風邪は、ちょっと治ったかなと思っても会社などからは来なくていいと言われるので、その辺で喜んでいいのかどうか浮ついたりするのである。
しかし、知り合いが風邪で休んでいたりすると、しっかりクスリを飲んで寝て、いいモノを食い、いい音楽といい文章に囲まれていれば、すぐに風邪なんか飛んで行ってしまうのだよ……とカッコいいことを言っているが、いざ自分の番になると、なかなかそんな美しい境遇には恵まれなくなる。
予測なく鼻水がタラ~ッと出て来そうな雰囲気の時などには、いい音楽もいい文章もあったものではない。
ましてや、咳に上半身を煽られ、体全体が熱に冒され始めたりすると、音も活字も神経を逆撫でする補助凶器にさえなってしまうのだ。
昨日早退、本日お休みとなった今など、一応昨日医者にも行ってきたので、ひたすらじっとしているといったことなどが要求されている。
しかし、人間、そうじっとしてはいられないし、たまには体を動かすことも求められる。
そういう時に、忘れていたものとの再会や、また大きな発見などもあったりするのだ。
そんなわけで、先ほど冷蔵庫にあったうどん一袋にネギその他を放り込み、味噌煮込みうどんを作って食った。
もともとは醤油煮込み味だったのだが、そのスープは引き出しにしまって、味噌汁用の味噌を使った。
味噌の量が少し多過ぎて塩っぽさが強調されたが、タマゴの絶妙な崩れ具合が、自分としてもかなりの満足度だったので、まあまあ良しとしておくことにした。
かつて白山麓・O村にあった小さな食堂の味噌ラーメンは、家庭の味噌の味だった。
ボクはその味噌ラーメンが大好きで、20~30代の頃は、月に二度以上は食っていたような気がする。
それは家庭の味噌汁のような風味のラーメンだった。
北海道でも、東京吉祥寺でも同じような味噌ラーメンと出会ったことがあるが、その店のものは「素朴度」が違った。
飾らない正真正銘の“味噌”でスープが作られていたに違いない。
あれ以来、味噌ラーメンの懐かしさは、あの味に還ることになってしまう。
そして、今日ボクは風邪で休ませていただいたおかげで、そのことを再確認する機会を得た。
味噌煮込みうどんのあとは、家人が用意してくれた伊予かんなども食った。
味噌煮込みと一緒に、昨夜のおかずの残り、肉じゃがも食っていたので、もう腹はいっぱいだ。
さらに見渡せば、正月明けのせいか、我が家にはさまざまな食材が散在していることも発見。
現代日本における、雑食文化の煽りを実感。反省しつつ、賞味期限ギリギリ待ったなし状態の金沢伝統和菓子も、ついでにいただいた。
この満腹感は、風邪で休ませていただいている者としてはどうも心苦しい。
アタマはボーっとしているが、満腹過ぎて、すぐベッドに入るのも少し控えなければならないほどだ。
この無作為な文章も、腹ごなしのつもりで打っているのだが、どうも収拾がつかなくなってきたので、このあたりで終わりにしよう……