ジャズと出合った頃に帰れる一冊


モンク2

10代の中頃から、“一気”にジャズを聴くようになった。

聴くだけじゃなく、ジャズの歴史やモダンジャズの代表的なミュージシャンたちのことを知ろうとしていた。

レコードは何枚も買えないから、FM放送とジャズ喫茶で聴き込んだ。

スイング・ジャーナルはもちろん購読し、歴史本も研究本も読んだ……

今この本をとおして、久しぶりにそんな時代に帰ったような気がしている。

分かったような顔をしてジャズを語っていた、若かりし自分がいたことを思い出している。

まったく行ったこともないニューヨークという街の片隅での話(出来事)を、遠く離れた日本の、北陸金沢の、さらにはずれの小さな町で読み耽っていた自分を見つけた。

しかも、自分が生まれる前や生まれた頃の話を……

この本の中に出て来るセロニアス・モンクという特異な(天才)ピアニストにまつわる、さまざまな書き手たちの話は興味が尽きない。

そして、何よりも編・訳の村上春樹自身が書いている最初の6ページの文章からは、かつてのジャズの世界(たとえばジャズ喫茶など)に流れていた、どこか説明のつかない懐かしさみたいなものが強烈に伝わってきて、その6ページは5回以上読み返した。

まだ半分ぐらいしか読み終えていないのは、そんな読み返しが多いからだ。

装丁の絵は、もちろん和田誠。

ただ中身は、装丁の雰囲気よりもかなり濃い。

今は、もうすぐモンクとコルトレーンの章になるのを楽しみにしているし、もちろん、モンクばかり聴いている……

 


「ジャズと出合った頃に帰れる一冊」への2件のフィードバック

  1. 初めまして突然メールさせていただきます

    昨年実家の弟が亡くなり、大量のジャズレコードが残されてどうしたものかと思案にくれています
    業者に頼んで全て引き取って貰えば良いのですが、中には5〜6万円の値が付くレコードも有るらしいのです
    金沢に持ち帰って来ても我が家にはプレイヤーも何も有りませんから聴く事も叶いません
    知り合いにもジャズに興味を持った詳しい人も居りません
    レコードの枚数を数えた事が有りませんが多分1,000枚から2,000枚位有るようです
    良きアドバイスを頂けないでしょうか宜しくお願い致します

  2. お便りいただきありがとうございます。
    驚きですね。1000~2000枚となると、業務用みたいな感じで管理が大変だと思います。
    金沢には本格的なジャズの店は3軒ほどありますが、
    パワーを考えるとそれを引き受けるのは難しいですし、
    同じレコードがすでに店にあると思われます。
    それにレコードは扱いがCDと比較すると面倒でもある点で、敬遠されますね。
    もうひとつ、金沢工業大学ライブラリーセンターに、
    PMC(ポピュラーミュージックコレクション?)というレコード収集の機関がありますが、
    深入り型のコレクターであった弟さまのことを思うと、
    寄贈しても活用という点ではもったいない感じがします。
    実は、私が40年以上通っている店でも後継者の問題があり、
    近い将来、レコードをどうするかが悩みの種になっています。
    私自身も店主とは長い付き合いなので、直接相談を受けたりしました。
    ところで、北野さんはレコードを寄贈してもよいのでしょうか?
    またはお売りになりたいのでしょうか?
    後者であれば簡単でしょうが、
    古いジャズ好きやこれからのジャズファンのために、じっくり聴いてもらおうとお思いでしたら、
    前者をお薦めし、その寄贈先をどこにするかでしょうね。
    受け入れが大変なのですが。
    まだまだ実現は難しいですが、私も公私の付き合いをベースにして、
    そのような場所が作れないかといろいろと考えたりしています。
    そのうちそのような場所が本当に出来ているかもしれません。
    ジャズも含め、金沢周辺の文化的土壌(理解度)は深いです。
    私自身ももう一度そのようなことに関わっていきたいと思っています。
    何のアドバイスにもなっておらず心苦しいですが、
    北野さんのような方がいらっしゃるということが嬉しいですね。
    このような話はますます広めていくつもりです。
    ひとまず、今回はこれくらいにさせていただきます。
    ありがとうございました。

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