小松のちょっといいカフェには、森秀一さんの匂いがした…


小松駅前の大通りから、ちょっと入った「れんが通り」と呼ばれる道すがらにある、カフェ蔵「心」という喫茶店に行ってきた。商店街通りの再整備?によって道路が拡張となり、それによって前面の建物がとり壊され、後に残った蔵を再利用した店だ。

有線でモダンジャズが静かに流れていて、ボクが入った時には、マイルスの名演「枯葉」がちょうど始まったところだった。秋らしい。

 明治24年(1891)に造られた蔵だが、20年来お付き合いさせていただいている森秀一さんがデザイン設計し甦らせた。森さんは小松の赤瀬という山の中の町に住むインテリアプランナーだが、その活動域はインテリアを飛び越し、テーマパークやイベントの企画など多岐にわたっている。中でも、“書”については森さん独自の世界が作られ、ボクもその初期段階からいろいろ書いてもらった。というのもボクが発行していた『ヒトビト』という雑誌の、「ヒトビト的インタビュー」に登場いただいたのがきっかけとなって、ボク自身が森さんの生き方などに、かなり共鳴していたからだ。赤瀬の住宅兼事務所にもお邪魔して、森さんのホンモノぶりは十分認識している。

 店は森さんらしさに満ちている。蔵の喫茶店というと、ボクはすぐに飛騨高山にある古い店を思い出すのだが、そこは端正な仕上げで小奇麗な印象を受けるが、ここはそうではない。店の前にぽつんと立つ金庫の扉のような物体(たぶん前面の建物を壊す時、それだけを残したのだろう)。玄関の重々しい古いままの引き戸。店内の天井の梁や壁に下げられた古い帳簿など……

 それらは少々薄汚さを残してはいるが、かなりの存在感をもって何かを訴えかけてくる。店番をされているのが、かなり年配の男の人であるところもいい。若い女の子でもいいが、特にサービス精神も感じさせない店番であるところにホッとしたりもする。コーヒーの味は、ボク的にはそつなく上品に感じられ、自分自身の特別な好みとはちょっと違うが、それは余計なお世話というものだ。ただ、ひとつ気になったのが、せっかくモダンジャズを流しているのに、カウンターの中に置いてあるデカいテレビがちょっとうるさいことだった。

まあそんなことは差し引いても、ボクはそれなりに気に入っているのだ……


「小松のちょっといいカフェには、森秀一さんの匂いがした…」への1件のフィードバック

  1. 書き忘れたが、カウンター内のテレビで流れていたのは、
    「なんでも鑑定団」だった……
    昨年、金沢市のでかいイベントで世話になったのだ。
    しかし、テレビはちょっと不要なのでは……

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