居ても立っても・・・テレマーク


2月最初の日曜日は、春がそろそろやって来そうだなと思わせるほどの暖かさだった。前日は昼間から酒の入る会合があり、その酒を抜くために夕方近くから雪かきをした。まだまだカチカチに凍ったままの雪を、金属製のスコップで割っていくのはきつい作業で、効率もさほどではなかった。

そして、晴れた日曜の朝、今日は今年最初の水汲みだと決めていた。朝のうちは緩み始めた雪をあらためてまた割ったりしながら過ごし、家の前に凍結状態で残っていた雪の多くをかき出した。そして、いつもの湯涌へと向かう。クルマには20リットルの容器2個と、2リットルのペットボトル20本ほどを積む。とにかく年が明けて昨年末に汲んで来た水がなくなり、スーパーの水と水道水で繋いできた。が、やはり何となく湯涌の水でないと物足りない。

しかし、この雪だ。水場まで無事にたどり着けるのかどうか分からない。雪かきをした後でもあり、クルマの中では体がポカポカしている。うっすらと汗もかいてきた。内灘からは河北潟の道路を横断し、山側環状道路に乗って湯涌方面へと向かう。

湯涌はさすがに雪が多かった。路肩に残る雪は1メートル以上ある。無理かも知れんなあと思いながら、水場の方へと登る道に差し掛かった。周辺ではブルドーザーが2台、忙しそうに動き回っている。

狭い登りの道は雪で覆われていた。入口にはクルマが止められ侵入を阻止していた。除雪作業をする人に聞いてみたが、行くのは無理だと言う。もう戻るしかない。水は来週まで我慢となった。

 

帰りのクルマの中でずっと考えていたのは、そろそろテレマークで雪の上を歩きまわりたいなあということだった。河北潟の干拓地にするか、津幡の森林公園まで足を伸ばすか、そんなことばかりを考えながら、ハンドルを握っていた。

しかし、家に戻ると、ますます雪が緩んできているのを実感し、昼食後には再びスコップを手に雪かきに汗を流し始めた。埋もれていたゴミ箱を掘り起こし、駐車場のスペースを広げる。スコップのささり具合も快調だった。

雪かきを終えると、時計は3時を過ぎていた。焦っている。しかし、今からでは時間が中途半端で、スキー歩行に行くには時間がない。それでも何とかしたい。我慢できなくなった。

二階の部屋へと、ブーツと板とストックとスパッツを取りに駆け上がる。玄関からは出ないで、居間からスキーを投げ出し、ブーツを履き、スパッツを付けて雪の上に出た。

家の周辺と言っても、狭い空間だ。しかも、こんなところでクロスカントリーみたいなスキーをやっているニンゲンなんていない。こっちに来たばかりの頃、一度だけスキー歩行をしたことはあったが、もう十年以上前のことだ。

テレマークを付けて雪の上に立つと、やけに嬉しくなった。滑る感触がたまらない。ちょっと人目を気にしながらの、コソコソ歩行だが、家の裏側300メートルほどを五往復した。

また汗が噴き出してきた。久しぶりで息が切れてくる。自分はやっぱり、こういうことに歓びを感じるのだなあと納得している。陽が西に傾き、日陰になった頃にスキーを脱いだ。雪かきも含めた筋肉痛の予感がまた嬉しかった……


「居ても立っても・・・テレマーク」への1件のフィードバック

  1. 忙しそうで、のんびり。
    のんびりしてそうで、忙しい。
    中居さんらしいですね。
    今日は肌寒いけど、晴れ間もあるから気持ちいいです。

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