🖋…… 鳥居は倒れても、注連縄は残っていた


能登の山里が黙示すること

鳥居は倒れても、注連縄(しめなわ)はしっかりと張られてあった。

何度も訪れてきたなつかしい山里の集落。

もう初夏になろうかという季節になって、地震以来はじめて来ることができた。

峠から下る道は荒れていたが、それでもやはり来てよかったと思う。

この集落周辺には特別な想いがある。

人の暮らしがなくなれば家は朽ち果てていく。人が歩かなくなれば道も消えていく。

そんなことをあらためて実感させられた場所だ。

しかし、そこに来れば何かが見え、何かが聴こえ、何かが感じられる……

そんなことを実感させてくれた場所でもある。

もともとが小さな集落だ。

しかし、今もわずかに残った人たちが何代にもわたって受け継がれてきたものを守っている。

風土がもたらす恵みも試練も、すべてを受け容れてきた自然体の日常がある。

地震から半年、そんな朴訥な強さをあらためて感じてきた………


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