カテゴリー: 好きな本と作家
山には、悲劇も喜劇もある
今年の春も北アルプスで何人かの登山者が死んだ。厳冬期の遭難事故は少なくなったように感じられるが、春山での事故は一向に減っていないのではないだろうかと思ったりも
🖋 能登の山びとの一端を知る
『山に生きる人びと』(民俗学者 宮本常一著)。 少なくともボクにとって、この本には、人が山とのつながりを作っていった、さまざまな過程がきめ細かく紹介されていて、
風邪の日の雑想と宮本常一
二月に入ったばかり、そのアタマから不覚にも風邪の餌食になってしまい、三十九度の熱を出してしまった。 そのために仕事にも行けず、自宅で隠遁中なのである。で、ハッキ
ヤマケイと山人の歴史を読む
今しみじみと、わずかにしたり顔をしながら読んでいる本がある。 『山と渓谷1.2.3復刻撰集』という、ちょっとマニアックで厚めの文庫だ。 ご存じのように、『山と渓
辻まこと~というヒトがいた
辻まことを知っていますか? と聞いて、すぐさま知っていると答えた人はほとんどいなかった。別に知らなくても日々の生活に困ることはないので心配ないのだが、ボクの場
秋はまだ始まったばかり
某ショッピングセンター内の書店で面白そうだと手に取った一冊の本。チラチラと読んでいくと、予想どおり面白い。立ち読みは辛いので周囲を見回すと、本棚の角、いいところ
柿木畠で能登を語り 主計町でぼ~っとした
台風の煽りを受けた冷たい雨が降り続く日の、午後の遅い時間、ズボンの裾を濡らしながら柿木畠へと足を向けた。 ちょっと久しぶりだったので、駐輪場の前に立つ掲示板を見
休筆ではない日々
ちょっと気合の入った文章書きに没頭し始めてから一ヶ月半くらいが過ぎた。その間、当ページが疎かになり、数人のご贔屓さんから体調でも壊したのか?とか、仕事が忙しいの
🖋 一年の折り返しあたりでの雑想
輪島・旧門前黒島で復元に関わっている角海家が、建築の方の完了を間近にしていた。畳がすべての部屋に敷かれ、そろそろ展示演出の仕事にかかれる段階に入っている。 もち
稲見一良… オトコ、そして少年のこころ
稲見一良という作家の存在は、広く知られているというわけではないだろう。だいたい、「一良」と書いて「いつら」と読むこともめずらしく、ほとんどの人はそのとおりに読め
たけし氏の“振り子理論”に励まされ
「yomyom」19号は、北野武氏の冒頭エッセイがスタートダッシュをつけてくれた。それ以降はいつものように毎夜数ページずつの“牛歩型”本読み状態になったが、出だ
八ヶ岳山麓に憧れていた・・・
本棚の隅っこから、また懐かしい本が出てきた。レコードとか本とかはすでにかなり多くのものが手元から離れていて、時々本屋や図書館などで、これはかつて自分が持っていた
秋の五箇山で思ったこと
これまでの秋の話は、なんだか雨や嵐のことが多くて、もう言うことなし的に晴れ渡った正しい秋空など縁がないのかと思われているかも知れない。当然全くそんなことはないわ
能登の嵐と虹と作次郎 そして大阪の青い空と
北日本に晩秋の嵐がやってきた朝、前日の夕方刷り上がったばかりの、冊子『加能作次郎ものがたり』を持って富来の町を目指していた。 思えば、春から梅雨に
伊集院静氏は、なぜ怖いのか?について
東京への出張の行き帰り、電車の中のお伴として、久々に伊集院静氏の本を一冊持って行った。 『ねむりねこ』という可愛いタイトルの付いた文庫のエッセイ集で、一度読んで